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Seminar B/研究会B

Theoretical Linguistics in Practice/​理論言語学実践

Spring 2025

Mon 5th

形態論実践 Practices in Morphology

■研究会の目標:この研究会「理論言語学実践」では、学期ごとに言語学の様々な枠組みに触れ、対象を分析し、理論言語学における参加者の知識と分析力を高めることを目標とする。

■選抜課題:リンク先の​課題を行い、回答を教員にメールすること(メールはオンライン・シラバスの連絡先情報を見てください)

 

■このセメスターの内容:2025年度の前期では、形態論をテーマに次の二つの活動を行う。

活動1:輪読

昨年度出版された形態論の教科書であり、定評のある乙黒・田川(2024)を輪読する。今学期は日本語で行う。

乙黒亮・田川拓海(2024)『形態論の諸相:6つの現象と2つの理論』東京:くろしお出版.

形態論とは、単語の形に関する理論である。例えば、英語の過去形では、多くの動詞が-edを末尾につけてwalkedのような形を作るが、中にはranのようないわゆる「不規則動詞」も存在する。英語の授業では「不規則動詞は覚えてください」でおしまいだが、形態論では、どのような場面で不規則な現象が生じるのかというようなことに理論を立てる。また、「認められませんでした」という日本語の例に明らかなように、どこからどこまでを単語と捉えてよいのかわからないような性質を持つ言語もある。それでは単語という概念は個別言語に依存する概念なのか、というと、確かに表面的には言語ごとの独自性は観察されるものの、様々な言語を観察していくと、どうも言語によらない安定した性質があるようだ、ということが分かってくる。形態論では、このような独自性と共通性に関する理論を立てていく。

形態論に関する研究書には多くのものが出版されているが、その中でも本書を選ぶ理由は、本書の持つ「複眼性」という特徴に強い教育的価値を認めるからである。すなわち、本書は、最新の形態論の入門書であるだけでなく、一つの理論に終始せず、異なる立場から現象を分析する複眼的な視座を提供している。このため、理論言語学の経験が浅い学生にとって、理論とは何か、言語学の探求とはいかなるものなのか、といった根本的な問いを考える良いきっかけを与えることが期待される。このことは、より一般的に、学問的な探求とは一体何なのか、という大きな問題を考えるよい出発点となろう。

活動2:研究

学生は、研究者として扱われ、教員とともに共同研究を実施する。形態論に関して、教員が取り組んでいるプロジェクトが現在複数存在するので、そのリサーチクエスチョンに応じたグループを作成する。学生は、そのいずれかのプロジェクトに参画し、上記の輪読で学んだ知識などを駆使しながら、リサーチクエスチョンの解決に取り組む。成果は、ORFでの発表を目指す他、優れた成果が出た場合については、学会での発表などにつなげていく。

具体的なリサーチクエスチョン(グループ)については、Class2において指示する。敬語や自動詞他動詞の関係、日本語の歴史変化、適用形などをシラバス執筆時においては候補として考えているが、Class1で聞き取った受講者の希望などに応じて変化する可能性があることをご承知おきいただきたい。

■求められる姿勢:参加者は、現代の言語理論にどのような分析の視点が存在するのかを学び、また、ここで得た知識を新しい分析対象に応用したいという知的好奇心を持っていることが求められる。

■進め方:

授業外(個人):輪読の対象箇所を読む
 

② 授業外(グループ):上記のリサーチグループで、次回の研究会の「予習」を、授業外で落ち合って行う。

  • 活動1:レジュメ作成
    次回扱う内容についての要点と質問項目(レジュメ)をまとめたレジュメを作る

     

  • 活動2:プロジェクト遂行
    グループプロジェクトの進捗状況に応じて相談やディスカッションを行う

③ 授業内(グループ)

  • 活動1:輪読内容の消化
    毎回ランダムで、予習の時に組んだ人とは違う人とグループを組み、予習のときにどのような話題があがったのかについて意見交換をする。教員は、①と②の過程であがってきた疑問点について、解説をしたり、また演習問題などを適宜織り交ぜながら、学生の理解、研究のアシストを行う。​(授業時間の2/3程度)
     

  • 活動2:研究プロジェクトの遂行
    通常のリサーチグループに分かれ、プロジェクトを遂行する。先行研究を読み、データを押さえて、分析を構築し、報告書を執筆する。(授業時間の1/3程度)

■スケジュール:本年度は、この研究会が初めて組織される年になるので、学生の力や要望を踏まえ、多少大幅にスケジュールが変更される可能性があることを承知されたい。

 

Class 1: ガイダンス

4月11日(金)5限

活動1:1章

活動2:自己紹介(各学生の興味の紹介)

Class 2: DMとPFM

4月18日(金)5限

活動1:2章

0活動2:グループ決め

Class 3: 融合(DM)

4月25日(金)5限

活動1:3.1から3.2まで

活動2:先行研究のリストの作成①
 

Class 4: 融合(PFM)

5月2日(金)5限

活動1:3.3から3.4まで

活動2:先行研究のリストの作成②

Class 5: 補充法(DM)

5月9日(金)5限

活動1:4.1から4.2まで

活動2:先行研究購読①

Class 6: 補充法(PFM)

5月16日(金)5限

活動1:4.3から4.4まで

活動2:先行研究購読②

Class 7: ゼロ形態(DM)

5月23日(金)5限

活動1:5.1から5.3まで

活動2:先行研究購読③

Class 8: ゼロ形態(PFM)

5月30日(金)5限

活動1:5.4から5.5まで

活動2:先行研究購読④

Class 9: 虚形態(DM)

6月13日(金)5限

活動1:6.1から6.3まで

活動2:分析①

Class 10: 虚形態(PFM)

6月20日(金)5限

活動1:6.4から6.5まで

活動2:分析②

Class 11: 阻止(DM)

6月27日(金)5限

活動1:7.1から7.3まで

活動2:分析③

Class 12: 阻止(PFM)

7月4日(金)5限

活動1:7.4から7.5まで

活動2:分析④

Class 13: 迂言法(DM)

7月11日(金)5限

活動1:8.1から8.3まで

活動2:発表レジュメ作成①

Class 14: 迂言法(PFM)

7月18日(金)5限

活動1:8.4から8.5まで

活動2:発表レジュメ作成

Class 15: 研究成果の報告会

(実施日は学生との相談の上で決定する)

活動1:8.4から8.5まで

活動2:発表

■評価方法:上述の活動報告書の質、および、研究会における意欲・積極性・協調性などを基に総合的に判断する。

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